医療法人の研修費・交際費・寄付金について注意するべき点は?
研修費・交際費・寄附金には特に注意する必要があります。
研修費については、学会や講演会への参加費用、それに付随する図書費用等は認められます。税務調査の場合に問題となるのは、宿泊を伴って国内研修に参加した場合や、海外研修に参加した場合です。この場合には、事業と関連しない個人的支出が計上されていないか、観光費用が含まれていないか、が検討されることになります。
したがって、事業に関連しない費用は精算しなければなりませんし、研修の目的を記載した証憑や日程表、研修した記録、領収書類を保存しておく必要があります。交際費についても、事業との関連性が問題となります。
医師は一般的に出身大学の医局と密接な関係を持ちますので、同窓会費や同門会費、親睦会費等が支出されることが多いと思われますが、例えば代診医師の紹介を受けるためや、医療情報の交換の目的というように、事業との関連性を疎明できるようにしておく必要があります。
但し、出身大学の建設協力金を支出した場合は、交際費や後述する寄附金ではなく、役員賞与とされます。また、医療法人設立何周年記念、あるいは新病院完成記念などのパーティが催される場合もあるかと思いますが、出席者が医療法人の理事又は従業員である場合は福利厚生費として差し支えありません。ただし、製薬会社や医療機器メーカー等の取引業者も参加している場合は、交際費とする必要があります。
寄付金については、まずその支出が裏付けられる資料を保存しておく必要があります。特に、指定寄附金、公益増進法人等への寄附金は、証明書がない場合には優遇措置が受けられなくなる場合があります。