会社設立の際の注意点2【資本金の設定】

前回のコラムでは、会社設立の注意点として、
・資本金が1,000万円以上なら、開業初年度から消費税がかかる。
・資本金が1,000万円超なら、住民税の均等割が高くなる。
とご説明いたしました。
それでは、資本金が少ない方がよいのか、ということになりますが、
必ずしもそうではありません。
会社法では、資本金1円から会社を設立することができるとされていますが、
仮に、資本金1円で会社を設立すると、信用面で問題が発生する可能性があります。
つまり、資本金1円しかない会社と取引して大丈夫なのかな、と
取引先が躊躇して、せっかくの商談がフイになる可能性があるということです。

ビジネスは、相手があって初めて成立しますので、
ある程度資本金を用意して、本気でビジネスに取り組んでいる
(=ペーパーカンパニーではない)という姿勢を見せることも重要です。
株式会社を設立する場合、印紙税等で20万円ほどかかりますので、その他の経費を考えますと、 少なくとも100万円程度は、資本金を集めてから会社設立する方が無難です。
「ビジネスアイディアはあるのに、お金がないのなら、
会社設立してはいけないのですか」と
お叱りを受けそうですが、
そもそも、会社は、所有(出資者=株主)と経営(業務執行者=社長)が分離されています。
つまり、お金はあるが、投資先を探している人と、
お金はないが、ビジネスアイディアがある人の利害が一致して、行うのが株式会社です。
(もちろん、株主と社長が同じでも構いません)
したがって、お金がないが、ビジネスアイディアがある人は、出資を募ればよいのです。
このような方々のために、「エンジェル税制」があります。
エンジェルとは、個人投資家の意味で、出資額に応じて税金が減るという恩典があります。
このエンジェル税制を使うことで、出資者が集まりやすくなります。
ビジネスアイディアがある方は、ご自分で貯金して、資本金を作るか、
あるいは、エンジェル税制を使って、個人投資家から出資を募るか、
選択の幅が広がることになります。
個人投資家と言っても、遠い世界の方ではなく、友人知人で構いません。
要するに、ビジネスアイディアに投資してくれる他人なら誰でも結構です。

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